日常茶飯事



                   「嫌だアンジール!」
                   
                   ザックスは悲痛な声を上げて、アンジールの広い胸元に抱きつく。



                   「ザックス…」

                   辛いのは自分も同じだという様に酷く落ちた声色でザックスの名を呼び、僅かに悲しみに震えながら自分に抱きついて離れない
                   ザックスの、少し固めの髪を落ち着かせるように優しく撫でる。


                   「お願いアンジール。
                    俺をおいていかないでよ…」

                   小さな子供の様に首を左右に振り、殊更アンジールにぎゅっと強く抱きつく。
                   暖かな人肌の温もりと、アンジールのどこか安心する大好きな香りに伏せたザックスの目尻に自然と涙が滲んで来る。

                   「すぐに帰ってくるさ」

                   もし、ザックスに犬の耳が付いていたら怒られた子犬の様にしゅんと耳が垂れているだろうな、とアンジールは目の前のザックス
                   を見て僅かに微笑み、ザックスの肩に逞しい腕を回し安心させる様に抱きしめてやる。
         

                   「…本当に?」

                   僅かに顔を上げ、涙で潤んだ瞳で問いかける。

                  
                   「ああ本当だ。
                    俺がお前に嘘をついたことがあるか?」

                   「…ない」

                   暫し考えた後ザックスはポツリと呟き、またアンジールの胸元に顔を埋める。
                   
                   「じゃあいい子で待ってられるな?」
                   







                   「お前らいい加減にしてくれよ…」






                   アンジールが数日間遠征に行く度にこれを見せられている俺の身になってくれ!
                   と、ブリーフィングルームから出るに出れないカンセルは、意味がないと解っていても自分たちの世界に入ってしまっている目の
                   前の二人に向かって呟くと、本日13回目の溜息をついた。

                            
                   


                                

           

                     初アンザク。
                     何だが別人のようですが、アンジールはザックスに物凄い甘いと思うんですよ。
                     基本的にバカップルなアンザクが大好物です!
                     そしてカンセルがもっと別人。
                     カンセルならどかどかとあの二人の間に入っていけそうですよねー。
                     ちなみにこれは一応ギャグです(汗)
                     それなのに落ちてない…。